Excel VBA学習、本を買う前に待って。Stream Deckで1秒起動する環境が先です

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毎朝9時、Excelを開いて同じ作業の繰り返し。メールで届いていた修正依頼のデータ集計……そもそもファイル探しからスタートという日も珍しくありません。
「VBAを覚えれば楽になる」と本を買ってみたものの、第3章あたりで「オブジェクト」「プロパティ」「メソッド」という専門用語の嵐に遭遇して挫折。コードの意味が分からず、そもそも「どこに書けばいいのか」すら曖昧なまま、本棚の肥やしになってしまいました。

私も7年ほど前に、会社の方針でWMS(倉庫管理システム)の導入が急に決まった際、現状のExcel手入力では業務が何時に終わるか分からなくなる危機感からVBAに挑戦しました。当時は「VBAを使えるのは一部の優れたプログラマーだけ」という思い込みがあり、社内のVBAベテランに相談するも「ネットで調べればいくらでも答えが出てくるよ」の一言。何から手を付ければいいかまったく分からず、膝から崩れ落ちたのを今でも覚えています。

しかし実は、このアドバイスは的を射ていました。VBA学習で多くの人が失敗するのは「勉強の順番」が逆だからです。
本来は「①自分の作業でVBAを動かす環境を作る」→「②他人のコードを実務で試す」→「③仕組みを理解する」の順が正解。ところが多くの教材は③から始めるため、実感が湧かないまま挫折します。

さらに、Stream Deckという物理ボタンデバイスと組み合わせれば、「Alt+F8でマクロ一覧を開いて……」という手順すら不要になります。ボタン1個で朝のルーティンが完結する世界が、初心者でも3日で作れます。

この記事では、「本を読む前にやるべき3つの準備」と「Stream Deckで実現する"1秒自動化"の具体例」を実務シーンとともにお伝えします。読み終える頃には、「明日の朝、自分のPCで何を試すか」が明確になっているはずです。

VBA学習で挫折する人が陥る"教材選びの罠"

本やUdemyを先に買ってはいけない理由

多くの教材は「VBAとは何か」「変数とは」から始まります。しかし、自分の実務で何が自動化できるか分からない状態で理論を学んでも、頭に入りません。

これは例えるなら、「料理を作ったことがない人に包丁の研ぎ方から教えている」ような状態です。まず作ってみて、美味しいものができる喜びを知ってから技術を磨けばいい。この循環はVBAも同じです。

私もネット検索でVBAの情報を集めつつ、基礎レベルの本を何冊か買い集めていましたが、実際には本をほとんど辞書的な感覚でしか使っていませんでした。直面している問題をまず調べ、そこから逆算して本を引く、というスタイルが自然と定着していったのです。

「変数とは?」を覚える前に、自分のExcelファイルで動かす体験が必要

VBAの本質は「自分の作業を自動化するツール」です。まず「自分の定型作業が、ボタン1つで終わる快感」を知ること。その後で「なぜ動くのか?」を逆算で理解する方が、記憶に定着しやすくなります。

理論から入ると「勉強」になりますが、体験から入ると「問題解決」になる。この違いが、挫折するかどうかを分けます。

私の場合もネット検索で調べたコードをそのまま貼り付け、動かなかったらまた調べる繰り返しでした。きれいなコードを書くよりも「自分が想定した動きができればOK」というスタンスで1つずつ問題を解決していきました。当時の自分を支えたのはGoogle検索と、試行錯誤の繰り返しです。ちなみに「変数」を意識して使い始めたのはかなり後のこと。気づいたら「あ、これが変数だったのか」というレベルでした。

実務と紐づかないコードは3日で忘れる(これが人間の記憶の仕組みです)

「練習問題のために書いたコード」は、実務で使う機会がないため定着しません。一方、「毎朝使うマクロ」は使うたびに記憶が強化されます。

私自身、最初に覚えたVBAコードは「ボタンを押したらテキストが入力できる」というシンプルなものでした。毎日使うから忘れない → 忘れないから少しずつ改良できる → この好循環が、VBA習得の最短ルートです。

また、VBAコードを書く前に「マクロの記録」で代替できないかを必ず確認することをおすすめします。判断の目安はシンプルで、繰り返す回数が固定で条件分岐が不要な作業はマクロの記録で十分、条件によって処理を変えたい場合はVBAコードの出番です。私はこの視点がなくVBAに偏りすぎて、無駄な時間を費やしてしまいました。

Excelのマクロの記録機能とVBAエディタの画面

VBA初心者が本当に最初にやるべき3ステップ

STEP1 - 自分の定型作業を1つだけ選ぶ(選び方の基準)

最初に自動化する作業は、以下の3つの条件を満たすものが最適です。

  • 毎日やっている
  • 5分以上かかる
  • 手順が決まっている

例えば、「複数シートのデータを1つにまとめる」「特定の条件で色を付ける」「同じ形式のレポートを毎日作成する」など。最初は欲張らず、1つだけに絞りましょう。

特に「手順が決まっている作業」から始めることをおすすめします。プログラムも順番通りに処理が進むため、シーケンシャルな作業は初期の学習素材として最適です。

STEP2 - その作業を「手動で記録」するマクロの記録機能を使う

Excelの「開発」タブ→「マクロの記録」をクリックします。いつも通り手作業で操作するだけで、VBAコードが自動生成されます。

この段階では、生成されたコードを読む必要はありません。「記録ボタンを押す → いつもの作業をする → 記録停止」。これだけで、あなたの作業がVBAコードになります。

STEP3 - マクロにショートカットキーを設定し、Stream Deckのボタンに割り当てる

まず、Excel側で「マクロのオプション」から、例えば「Ctrl+M」というショートカットキーを設定します。次に、Stream Deckで「ホットキー」アクションを選び、「Ctrl+M」を登録します。

これで、Stream Deckのボタンを押すだけでマクロが起動する仕組みが完成します。

【重要な補足】
Stream Deckに「直接VBAコードを入れる」わけではありません。あくまで「Excelのショートカットキーを、物理ボタンで押す」という仕組みです。

Stream DeckのホットキーアクションにExcelマクロのショートカットを登録する画面

Stream Deckと組み合わせた瞬間、VBAが"使える武器"に変わる理由

「Alt+F8」が不要になる衝撃(従来の起動方法との比較)

従来のマクロ起動方法は、Alt+F8を押して、マクロ名を選択して、実行ボタンをクリックの計3アクションが必要でした。

Stream Deckなら、ボタン1回(約0.5秒)で完了。キーボードから手を離さず、マウスも触らず、視線もExcelのまま起動できます。

【実例】朝9時、ボタン1つで完了するルーティン自動化

ある日の私の朝の作業を例に挙げます。

  1. 朝の発送リストを関係者各位に配布するためにデータのDLとリスト化
  2. その日の納品予定リストと商品マスタをシステムへインポート
  3. 納品された商品格納のためのリスト出力

この一連の流れを、以前は15分かけて手作業でやっていました。今は、Stream Deckのボタンを1つ押して、コーヒーを淹れている間に完了します。

Stream DeckのボタンにExcelマクロを割り当てて朝のルーティン作業を自動化している様子

コードを理解していなくても、物理ボタンなら「誰でも・確実に・即座に」実行できる

VBAコードは「読めなくても、動けばOK」という割り切りが重要です。そして、Stream Deckの物理ボタンは「押し間違い」がほぼゼロ。

チーム内で「このボタンを押せば月次報告書が完成する」と共有すれば、VBAを知らない隣の席の人でも同じ作業を再現できます。これは業務の標準化・属人化解消という観点でも大きなメリットです。引き継ぎの際も複雑な仕様書は不要で、「このボタンを押すだけ」と伝えればOK。経費申請の際の導入理由としても、この点は説得力を持ちます。

"コピペ"から始めるVBA実践学習ロードマップ

Phase1(1週目): 他人のコードをコピペして、Stream Deckで動かす楽しさを知る

ネット上には「そのまま使えるVBAコード」が豊富にあります。例えば、「Excel VBA 複数シート 統合」で検索してコピペしてみましょう。

自分の実務で動いた瞬間の快感が、学習のモチベーションになります。この段階では、コードの意味が分からなくても全く問題ありません。コピペがほとんどだとしても、想定通りに動いたときは思わず小さくガッツポーズをしていましたよ。

Phase2(2〜3週目): 動くコードの「数値だけ」を自分用に変える

コピペしたコードの中で、シート名やセル番地を自分の環境に合わせて修正します。

例: Sheets("Sheet1")Sheets("売上データ")

この段階で「コードのどこを触ると何が変わるか」が体感的に分かってきます。エラーが出ても、元に戻せばいいだけ。ファイルのコピーを作っておけば、何度でも気軽にチャレンジできます。

Phase3(1ヶ月目以降): 「このコードは何をしているのか?」を逆算で理解する

毎日使っているマクロのコードを、1行ずつ読んでみます。「For i = 1 To 10って、10回繰り返すのか」という気づきが積み重なります。

この段階で初めて、本やUdemyが「辞書」として役立つようになります。分からない構文を調べるために本を開く。これが、挫折しない学習法です。

よくある質問: Stream Deckは本当に必要? 代替手段は?

キーボードのショートカットキーでも代用可能(ただし限界がある理由)

確かに、Excelのマクロにショートカットキー(Ctrl+Shift+M など)を設定すれば、Stream Deckなしでも起動できます。

ただし、キーの組み合わせが増えると覚えきれません。「あれ、この作業は Ctrl+Shift+M だっけ? Ctrl+Alt+M だっけ?」と迷う時間が積み重なります。

Stream Deckなら、ボタンにアイコンと名前を表示できるので直感的に選べます。また、Excel以外にもアプリの起動・Webページの表示・スクリーンショットなど幅広い用途に使えるため、業務効率化ツールとしての汎用性も高いです。

Stream Deckの最小構成(Mini版・中古品・スマホ版)でもOK

Stream Deck Mini(6ボタン版)なら9,980円(税込)。中古なら5,000円前後で手に入ることもあります。

まずは「Stream Deck Mobile」(スマホアプリ・6ボタンまで無料)で試すのもアリです。設定アプリは他のStream Deckと共通なので、まずMobile版で自分に合うかを確認してから本体購入を検討するのがおすすめです。

※無料版は6ボタンまで。それ以上使いたい場合は有料プランへの切り替えが必要です。

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「投資対効果」の考え方: 月1時間の削減で元が取れる計算

仮に時給2,000円として、月1時間の作業削減で2,000円の価値。5ヶ月でStream Deck Mini(9,980円)の元が取れる計算です。

さらに、「あの作業、やらなきゃ……」という精神的な負担の軽減は、金額では測れない価値があります。

VBA学習は"環境構築7割・勉強3割"。明日やることリスト

明日やること①: 自分の定型作業を1つ付箋に書き出す

「毎日やっている」「5分以上かかる」「手順が決まっている」作業をリストアップし、その中から一番シンプルなものを1つ選びましょう。

明日やること②: Excelの「マクロの記録」ボタンの場所を確認する

「開発」タブが表示されていない場合は、「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」から有効化します。一度「マクロの記録」を押して、適当な操作を記録してみましょう(練習です)。

明日やること③:(可能なら)Stream Deck Mobileアプリをスマホに入れて試す

App Store / Google Playで「Stream Deck Mobile」を検索し、PCとスマホを同じWi-Fiに接続してアプリからPCを認識させます。試しに「Ctrl+C」(コピー)をボタンに割り当てて、スマホから実行してみましょう。このたった1ステップが、Stream Deck×VBAの世界への入口です。

VBAの勉強は、「環境が整ってから」でも遅くありません。むしろ、動く環境があれば勉強は後からいくらでも追いつきます。

私自身、VBAの「V」の字も知らないところから始めて、ボタン1つでストレスフリーな朝を手に入れました。1つの業務負荷がなくなるだけで、朝のストレスは想像以上に改善されます。特にトラブルメールが届いていた朝ほど「自動化しておいて良かった」と実感します。そしてその分、新しい業務や改善にエネルギーを使えるようになる。あなたにも必ずできます。まずはスマホに無料アプリを1つ入れるところから始めてみてください。

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