Spotifyで音楽を聴きながら作業していると、急に大きな音が流れて慌てて音量を下げる……そんな経験はありませんか?Stream DeckにVolume Controllerを追加すると、ボタン一つでSpotifyだけの再生音量をすぐ下げられるようになります。狙ったアプリだけを調整しやすいのが便利なところです。この記事では、筆者の環境で初回設定したときは5分前後で形にできました。その手順を、つまずきやすいポイントも含めて丁寧に解説します。なお、筆者は最初にSpotifyを再生しないまま設定を進めてしまい、一覧で見つけにくくて少し手間取りました。同じ失敗をしないよう、順を追って説明します。
この記事で扱うアプリ別の音量操作は、Elgato公式ヘルプではWindows向けとして案内されています。 この記事の手順はWindows 11で確認したものです。Macをお使いの方は最新の対応状況をElgato Marketplaceまたは公式ヘルプでご確認ください。
この記事で試した環境
- OS:Windows 11
- デバイス:Stream Deck MK.2 / Stream Deck +
- 確認したアプリ:Spotify / Discord / Zoom
Volume Controllerで何ができるのか
Volume Controllerは、Stream DeckにMarketplaceから追加できるプラグインです。
この記事では主に、アプリの再生音量をStream Deckのボタンやダイヤルから操作する使い方を説明します。
Windowsには「音量ミキサー」という画面があり、アプリごとに音量スライダーが並んでいます。Volume Controllerはそのスライダーを、ボタンやダイヤルから動かすイメージです。
できること・できないこと
- ✅Spotifyの音を下げる・上げる・消す(そのアプリで再生される音量が変わります)
- ✅Windowsの音量ミキサーで個別に表示されるアプリは、アプリごとに音量を調整しやすい
- ❌Zoom会議中に「自分のマイクだけをミュートする」機能とは別(それはZoom側の機能です)
- ❌Volume ControllerではSpotifyの再生・停止・曲送りはできません(音量操作のみです)
「マイクのミュート」と「再生音のミュート」は別物です。この記事では主にアプリの再生音量を操作する使い方を説明します。
まず手動検出から始めよう
Volume Controllerには2つの使い方がありますが、初心者はまず「手動検出」から始めてください。
手動検出:特定アプリ専用のボタンを作る(初心者におすすめ)
アプリ名をあらかじめ指定して、そのアプリ専用のボタンを作る方法です。
例:「Spotify専用の音量ダウンボタン」を1個作る。ボタンを押すたびにSpotifyの音量だけが少し下がる。
もう一方の「自動検出」は、起動中のアプリに応じて操作対象が動的に変わる使い方です。便利ですが、初心者のうちは対象が切り替わって見え方に迷いやすいため、まずは手動検出から始める方が分かりやすいです。
5分でできる最初の設定:Spotifyの音量ダウンボタンを作る
「Spotifyの音量を少し下げるボタン」を1個作ってみましょう。1人で音楽を流しながら確認しやすいため、最初の練習に向いています。
準備するもの
始める前のチェック
- Stream DeckアプリがPCに入っていて、Stream Deckが接続されている
- Spotifyが起動していて、音楽が再生されている(これが重要な理由は後で説明します)
- Windows 11のPC(この記事はWindows 11で確認した手順です)
設定手順
step
1Volume Controllerをインストールする
Stream DeckアプリからMarketplaceを開き、検索欄に「Volume Controller」と入力して検索する。見つかったらインストールボタンを押す。
インストールが終わると、アクション一覧(右側のパネル)に「Volume Controller」という項目が追加される。
※Marketplaceが見当たらない場合は、まずStream Deckアプリを最新版に更新して確認してください
step
2Spotifyで音楽を再生する
Stream Deckの設定をする前に、Spotifyを開いて何か音楽を再生しておく。
筆者の環境では、Spotifyを再生していない状態だと設定パネルの一覧で見つけにくく、再生後にプルダウンを開き直すと判別しやすくなりました。すべての環境で同じとは限りませんが、設定前に音楽を再生しておくのが安全です。
ボタンのアイコンが暗くグレーになっているときは、「音を再生していないアプリはグレー表示になることがある」という仕様によるものです。壊れているわけではありません。音楽を再生すると通常の表示に戻ります。
※Spotifyがグレー表示で見つけにくい場合は、音楽を再生してから設定パネルのプルダウンを開き直してください
step
3「ソフトウェアの手動検出」をボタンにドラッグする
Stream Deckアプリの右側のアクション一覧から「Volume Controller」→「ソフトウェアの手動検出」を探す。これをStream Deck上の好きなボタンにドラッグ&ドロップする。
まずは「音量を下げる」操作を1個だけ作りましょう。設定パネルで1プッシュあたりの調整幅(ステップ)も変更できるので、好みに合わせて調整してください。「音量を上げる」「消音(ミュート)」も同じ手順で別ボタンに追加できます。
※「上げる」「下げる」「ミュート」の3つを別々のボタンに割り当てる場合でも、それぞれの設定パネルで選ぶアプリケーションはすべて同じアプリ(例:Spotify)に統一してください。バラバラにすると異なるアプリが操作されてしまうため注意が必要です。
※Stream Deck +でダイヤルで操作したい場合は、ボタンではなくダイヤルのアイコンにドラッグする(後ほど説明します)
step
4Spotifyを対象に指定して、操作の内容を選ぶ
ボタンをクリックすると、画面右側に設定パネルが開く。「アプリケーション」という項目のプルダウンをクリックすると、今起動しているアプリの一覧が表示される。その中からSpotifyを選ぶ。
次に、操作の種類を選ぶ。「音を少し下げる」「音を少し上げる」「音を消す(ミュート)」に対応する項目を選択する。「音を少し下げる」を選んだ場合は、1回押したときにどれくらい音が下がるかも設定できる。
※Spotifyがグレー表示で見つけにくい場合は、STEP2に戻って音楽を再生してから設定パネルを開き直してください。筆者の環境では、表示名が想像と少し違って見つけにくいこともあったため、見当たらなければWindowsの音量ミキサーで表示名を確認してみてください
step
5動作を確認する
Spotifyで音楽を再生した状態で、設定したボタンを押してみる。
確認方法:タスクバー(画面右下)のスピーカーアイコンを右クリックして「音量ミキサーを開く」を選ぶ。画面の中にアプリ名が書かれたスライダーが並んでいる。手動検出で指定したアプリのスライダーだけが動いていれば成功。筆者のWindows 11環境では、サウンド設定からも音量ミキサーを開けました。他のアプリのスライダーも動く場合は後のトラブル手順を参照。
※まず1アプリだけで確認してから、他のアプリに広げていくのがおすすめです
音量ミキサーの見方(補足)
「音量ミキサー」の簡単な見方を補足します。
開き方:タスクバー右下のスピーカーアイコンを右クリック→「音量ミキサーを開く」
音量ミキサーの画面の見方
- 上の方のスライダー=PC全体の音量、下のアプリ名つきスライダー=各アプリの個別音量
- 今回の設定では設定したアプリのスライダーだけが動けば成功
- 別のアプリも動く・何も動かない場合は次のトラブル手順を参照
うまくいかないときの確認手順
筆者が実際に一番ハマったのは、Stream Deck +でダイヤルではなくボタン用エリアに誤って割り当ててしまい、ダイヤルを回しても一切反応しなかったことでした。設定を削除してダイヤルのアイコンエリアに再度ドラッグしたら解決しました。それ以外で動かない場合は、次の順番で確認してみてください。
step
1Spotifyが設定パネルのアプリ一覧に出てこない場合
Spotifyで音楽を再生した状態でプルダウンを開き直してみる。筆者の環境ではグレー表示になって見つけにくいことがありましたが、再生後に開き直すと見つけやすくなりました。
筆者の環境では、表示名が想像と少し違って見つけにくいこともあったため、見当たらなければWindowsの音量ミキサーを開いて表示名を確認してください。
step
2ボタンを押しても音量が変わらない場合
まず設定パネルを開いて、「アプリケーション」の欄にSpotifyが正しく選ばれているか確認する。
Stream Deck +を使っている場合は、ダイヤルではなくボタン用エリアに誤って割り当てていないかも確認する。その場合は一度削除して、ダイヤルのアイコンが表示されているエリアに再度ドラッグする。
step
3Spotifyのスライダーが動くのに、他のアプリも一緒に動く場合
ZoomやTeamsなど通話アプリを使っているとき、Windowsが自動で他のアプリの音量を下げることがある。
確認方法:コントロールパネルを開く(スタートメニューで「コントロールパネル」と検索)→「サウンド」→「通信」タブ→「Windowsで通信アクティビティが検出された場合」の設定を「何もしない」に変更する。
step
4それでも別のアプリと連動する場合
SlackやDiscordなどでも、Windowsの音量ミキサー上で別アプリと同じスライダーにまとまって見える場合があります。音量ミキサーを開いて、連動しているアプリが同じスライダーになっていないか確認してみてください。
なお筆者の環境では、Stream Deck側の設定が合っているのに動かない場合、ミキサー側で別アプリに操作が吸われていたことがありました。症状が出たらまずミキサーでどのスライダーが動いているかを確認するのが早いです。
Stream Deck +でダイヤルを使う場合
Stream Deck +にはダイヤルが4つついています。上で説明した「手動検出」の設定をボタンではなくダイヤルに割り当てることで、ダイヤルを回して音量を調整できるようになります。
Stream Deck +のダイヤル操作
- ダイヤルを右に回す:音量が上がる
- ダイヤルを左に回す:音量が下がる
- ダイヤルを押し込む、または上の画面を押す:ミュートのオン・オフが切り替わる
ボタンモデル(MK.2など)との違い:MK.2は押すたびに一定量ずつ音量が変わるのに対し、筆者の体感ではStream Deck +はダイヤルの回転量がそのまま音量に反映される感覚で、会議中の細かい調整がしやすかったです。設定の手順はほぼ同じで、STEP3で「ソフトウェアの手動検出」をドラッグするとき、ボタンのアイコンではなくダイヤルのアイコンにドラッグするのが唯一の違いです。
ダイヤルを回しても音量が変わらない場合は、ボタン用のエリアに誤って割り当てている可能性があります。一度削除して、ダイヤルのアイコンが表示されているエリアに再度ドラッグしてください。
慣れたら試したい設定パターン
Spotifyで動作確認ができたら、他のアプリにも同じ手順で広げていきましょう。
在宅ワーク・Web会議向け
- Spotify / ブラウザで再生中の音楽:手動検出でBGMの音量を下げるボタン(まず最初にここから)
- Zoom / Teams:手動検出でZoom/Teamsアプリの再生音全体を下げるボタンを作る(そのアプリで再生される音量が変わります)
- システム全体の音量:Volume Controllerではなく「マルチメディア」カテゴリのアクションで全体音量の緊急調整用ボタンを確保
配信・ゲーム向け
- Discord:手動検出でDiscordアプリの再生音を素早く上げ下げ・ミュートする
- ゲームアプリ:自動検出で起動中アプリに応じて操作対象を切り替える
Wave Linkについて:Elgato製の別ソフトで、ゲーム配信など複数の音源を細かく管理したい場合に使います。まずVolume Controllerで音量操作に慣れてから検討するとよいでしょう。
Volume Controllerが特に役立つ場面
こんな人におすすめ
- 作業中にBGMをよく流す人(Spotifyなどのアプリ音量をすぐ絞りたい)
- Web会議と音楽を頻繁に行き来する人(会議が始まったらBGMをワンボタンで絞りたい)
- Stream Deck +でダイヤル操作を試したい人(なめらかな音量コントロールをワンアクションで)
よくある質問
Volume ControllerでZoomの会議中にマイクをミュートできますか?
できません。Volume Controllerが主に操作するのはアプリの再生音量です。相手の声を含むZoomアプリ全体の音量を小さくすることはできますが、自分のマイクを止める「マイクミュート」とは別の機能です。Zoom会議のマイクミュートはZoom側の機能として考えるのが分かりやすいです。
ボタンのアイコンがグレーになっています。設定が間違っていますか?
故障ではありません。音が出ていないアプリはグレー表示になることがあるため、まず再生状態を確認してください。
Spotifyが設定パネルのプルダウンに出てきません。
Spotifyで音楽を再生してからプルダウンを開き直してみてください。筆者の環境では、その方が見つけやすくなりました。それでも見当たらない場合は、Windowsの音量ミキサーの表示名と照らし合わせてください。
MacでもVolume Controllerでアプリの音量を操作できますか?
この記事で扱っているアプリごとの音量操作は、Elgato公式ヘルプではWindows向けとして案内されています。Macをお使いの場合は、最新の対応状況をElgato Marketplaceまたは公式ヘルプで確認してください。
MK.2とStream Deck +、どちらを買えばいいですか?
Spotifyの音量をボタンで上げ下げする使い方なら、筆者の体感ではMK.2でも十分でした。ダイヤルを回してなめらかに音量を調整したい場合は、Stream Deck +の方が使いやすく感じました。まずMK.2で試してみて、ダイヤル操作に魅力を感じたらStream Deck +へのアップグレードを検討するのがおすすめです。
まとめ:まずSpotifyの音量ダウンボタンを1個作ってみよう
この設定でできること・この記事のポイント
- この設定で直接操作できるのは「Spotifyの再生音量(自分の耳に届く音の大きさ)」です。再生・停止・マイクミュートはこの設定では変わりません。他のアプリまで動く場合は、「うまくいかないときの確認手順」を確認してください
- 最初は「手動検出」でSpotify専用の音量ダウンボタンを1個だけ作るのがおすすめ。自動検出は慣れてから試すとスムーズ
- 設定前に必ずSpotifyで音楽を再生してから設定パネルを開く(再生していないと一覧で見つけにくいことがある)
- ボタンのアイコンがグレーのときは「音を再生していないアプリはグレーになることがある」という仕様。壊れていない
- 動作確認は音量ミキサーで設定したアプリのスライダーだけが動くかで判断する
- Stream Deck +ではダイヤルのアイコンエリアにドラッグするだけでダイヤル回転で音量調整・押し込みでミュートに変わる
- この記事はWindows 11 / Stream Deck MK.2・Stream Deck +で動作を確認しています
難しく考えずに、まずSpotifyの音量ダウンボタンを1個作ってみてください。狙ったアプリだけ音量が変わる感覚をつかめれば、あとは同じ手順で好きなアプリに広げるだけです。